早慶生の学力はピンキリ
東大合格者がいないような学校の出身だと早慶は東大、京大に次ぐ大学と考えてしまうかもしれません。
しかしそれは大きな間違いです。
東大、京大と早慶の間には学力面で大きな開きがあります。
そして早慶の場合は学部によって基礎学力に大きな差があります。
理系の場合
慶應の医学部は東大理Ⅲに不合格だった受験生が数多く進学するため、ここは東大レベルの学力と言っていいでしょう。
他学部と同じ日吉キャンパスにいるのは1年生の時だけで、2年生から6年生までは慶應病院のある信濃町キャンパスで他学部とは隔絶された環境に置かれることからも、一般的な慶應生の文化はあまり持ち合わせていません。
早慶両大学の理工学部も東大理Ⅰ、理Ⅱを始め、難関国公立大学不合格者が多いため学力は高めです。
ただ、内部進学や指定校推薦もあるため、下のほうの学生になると地方国公立大の工学部でさえも合格は厳しいレベルの学生はいます。
またコンピューターや電気自動車などの実学に強い反面、数学や基礎物理と言った博学分野ではあまり名前を聞きませんので、工学系分野は強くても理学系分野はそうではないということでしょう。
文系の場合
メジャーな学部
文系の場合だとそれぞれの看板学部である早稲田の政治経済学部と慶應の経済学部は東大文系落ちが数多く在籍しているため学力は高いと言えるでしょう。
内部進学者もいますが、慶應経済の場合は推薦入学が無いため9割方一般入試の学生となり、基礎学力は担保されています。
そして大学の経済学では多少なりとも数学を使うため、数学を捨てた私大専願タイプの学生はあまりいません。
この2学部に次ぐのは両大学とも法学部と文学部ですが、学習意欲は文学部の方が高めです。
法学部は就職のつぶしがきくからという消極的理由で進学した学生も多いため、やる気の有無が学生によって大きく異なります。
法律系の学生だと暗記量が多いため勉強する文化がありますが、政治系だと覚えることも少なく、やる気のない学生でも卒業できてしまうため、学問する雰囲気はあまりありません。
一方文学部は他学部も受かった学生や他大学を含めて文学部だけ受験した学生も多く、学習意欲は高めです。
ディスカッションでも積極的に自分の意見を述べる学生が見受けられます。
国公立の場合は一番入試難易度が低いから文学部にするというケースが目につきますが、私大は複数学部を受験できるため、文学部進学は積極的進学なのです。
マイナーな学部
メジャーな学部以外になると学力は高くありません。
ローラー作戦で早慶を受験して、合格した学部がそこだけだったという人も多いです。
そして何よりスポーツ推薦の学生も在籍します。
スポーツ推薦でも地方国公立レベルの学生が中にはいますが、大半は学力的に厳しい学生です。
小論文を乗り切るだけの作文力はありますが、作文と言っても1000字程度で進学校の生徒なら高1で書けるレベルです。
そして地歴公民の知識も低く、文系の学生としても疑問符が付くレベルです。
そうはいっても彼らを卒業させなければいけませんから、成績の付け方は甘くなります。
国公立では当然単位を与えられないレベルでも単位を出すのが現状です。
なお慶應の場合はスポーツだけの推薦入試はありませんが、AO入試を特技スポーツで臨んできますので、文化系と一緒の入試というだけで実態としてはスポーツ推薦です。
マイナー学部、新興学部でもその分野に興味を持って積極的に勉強している学生もいますが、大概はテストだけ突破すればいいという学生ですので、周囲の環境に左右される人は学習意欲を失ってしまうかもしれません。
まとめ
以上ざっくりと早慶についてまとめてみました。
指定校推薦のない慶應の医学部と経済学部は東大と同じように聞いたことのある進学校出身者が多いですが、それ以外の学部になると3科目に絞って合格した普通の高校出身者が増えてきます。
進学校の空気を大事にしたいのであればこの2学部に進学するのがいいでしょうし、普通の学校出身者でもこの2学部以外なら早慶とはいえ気後れする必要はないのです。
特に南関東の高校生は予備校を駆使して学力の低い高校からでも早慶に合格します。
地方のレベルが高くない高校に在籍していても、オンライン予備校などを使って2科目に絞れば合格の可能性はありますので、都会の子に負けないように頑張りましょう。
ただいずれの学部についても共通しますが、どっぷり学問に浸かるという雰囲気は乏しいです。東大や京大であれば理系でも歴史に親しみ、文系でも数学が好きというように専門外の勉強も楽しめる人が多いですが、早慶ではそのような学生や教員はあまりいません。
根本的に学や教養といった部分で差が見られます。
4年ないし6年間自由に何かに追われず勉強したいということであれば、国公立に行くべきでしょう。