入試の英語がゴールではない② TOEFL・IELTSに挑戦しよう
TOEICは主に就職や社内登用で使用されるスコアで、アカデミックな英語ではありません。
ただ受験料が安いことから大学でも英語力を測るのに使用されています。
もし海外の大学に留学しようと考えているのであれば、TOEFLかIELTSを受講する必要があります。
こちらは共通テストの英語を置き換える対象としても検討されている学術系の英語試験でリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能が網羅されていますが、いかんせん受験料が高いため、何度も受験するというのは現実的ではありません。
なお一部の大学では、大学院入試の英語をTOEFLかIELTSのスコア提出のみに限っているところもありますので、大学院進学を考えている人は在学中に触れることになるでしょう。
TOEFL
TOEFLはアメリカで問題作成されている試験で、テストセンターと呼ばれるパソコンが揃った試験室で受験します。
問題はパソコンのモニターに表示され、解答もパソコンに入力して行います。
スコアはL,R,W,Sの各30点、計120点満点で測られ、交換留学は70点程度、学位留学は90点程度が必要ラインです。
大きな特徴としては2つあり、1つはリーディングの分量が多い点です。
1つの文章自体は短いのですが、短文の問題を数多くこなすため非常に疲れます。
しかも大学の専門的な用語も登場するため、TOEFL用の単語帳を使って勉強する必要もあります。
なお、問題の中には何度も使いまわされているダミー問題もあります。
これは答えられても答えられなくても点数に影響ありませんが、読解の体力を測るべく混ぜられているようです。
受験回数が多い人はそれがわかるため、ダミー問題の時は一息つくようです。
もう1つの特徴はスピーキングと言いながら、会話ではなく一方的に話すという点です。
パソコン上の試験なのでその場に試験官はいません。
そのため問題文に対して解答をマイクに吹き込む形になります。
会話のキャッチボールをしなくていいので、この点はIELTSより難易度は低いかもしれません。
TOEFLはIELTSと比較して受験場所、試験日程が多いため、地方在住者はTOEFLを選択したほうがいいかもしれません。
このコロナ禍ではオンライン受験の強みを生かし、自宅受験も始めたようです。受験料は約25000円です。
対策本としては公式問題集とTOEFL用単語帳を挙げておきます。
出題形式が特徴的ですので、とにかく慣れましょう。
IELTS
TOEFLがアメリカで作成されているのに対して、IELTSはイギリスのケンブリッジ大学で作成されています。
最近までペーパーテストでしたが、今ではテストセンターのパソコンからも受験できます。
ただし、テストセンターの場所は極めて限られ、ペーパーテストの日程や試験場所もTOEFLと比較すると少なくなっています。
受験料はTOEFLと同じく約25000円です。
スコアは0.5刻みの9.0点満点で測られます。
各分野9.0点満点で合計スコアはそれらの平均で算出されます。
交換留学は6.0程度、学位留学は6.5程度が必要ラインです。
TOEFLと比較すると専門用語が出てくることは少なく、文章も大学入試のような一般的な内容です。
ただ、記号式問題はなくすべて英語で解答するため、スペルミスは間違い扱いとなります。
ですが、リーディングもリスニングも小問1個につき書かせる単語は多くて3語で、リーディングの場合は基本的に本文中の単語を書かせますので、読解ができる人にとっては難しくないと言えるでしょう。
問題はライティングとスピーキングです。
1時間以内に150語以上と250語以上の計2つの英作文を完成させないといけませんので、時間との勝負になります。
しかも大学入試とは逆で、平易な書き方をすると得点が伸びません。かしこまった書き方の練習をする必要があります。
これはスピーキングも同じです。
同じ語を繰り返し使用すると語彙力不足と判断されてしまうため、言い方を変えたり別の単語を選んだりしながら話す必要があります。
専門用語を知っている必要はありませんが、語彙力は必要な試験と言えます。
なお、スピーキングはネイティブの試験官と1対1で25分ほどトークします。
問題は3部構成で、話のテーマはだいたい決まっています。
IELTSのリーディングとリスニングは日本のペーパーテストに近いため、特に対策しなくてもできる人はできます。
ただスピーキングとライティングは語彙力がカギを握るため、単語力増強の必要があります。
TOEFLと同じように公式問題集と単語帳を挙げておきます。
単語帳は1冊だと漏れがあるので2冊以上勉強したほうが抜けが少なくなります。