もしも高校生に戻れるなら

アラサー社会人が高校生活と社会人生活を振り返りながら、もし現代の高校生として生きるならという視点で記事を書いています。

弁護士になるために法学部に行く必要はない

法科大学院ができる前とは違う

2000年代初頭までは法科大学院は存在せず、司法試験受験者の多くは法学部で学んで試験に臨んでいました。

しかし、暗記型の勉強ではなく実務に則した法曹養成を目指して法科大学院が作られ、以後司法試験は法科大学院卒業生が受験することになりました。

 

法科大学院の失敗

日本は欧米とは異なり、日常生活で弁護士に仕事を依頼することはあまりありません。

国は欧米のように弁護士を気軽に利用できる社会づくりを目指して法科大学院を作り、法曹人口の増加に舵を切りましたが、結果的に今でも日本では弁護士に気軽に依頼する社会にはなっていません。

欧米のように契約社会というわけではなく、さらに人々のモラルも高いので弁護士の出番はあまりないのです。

 

ただ司法試験のあり方を変えてしまいましたので、司法試験の受験者と合格者は旧司法試験と比較すると格段に多くなり、その結果弁護士の数は増えました。

需要が無いのに供給が増えたため、待っているのは食えない弁護士の増加です。

世渡り上手で口が達者な弁護士は昔と同様に高給を得ていますが、サラリーマンより稼げない弁護士も現れるようになったのです。

頭がよくても仕事を取ってくるのが苦手な人には向かない仕事になってしまったのが今の弁護士です。

法科大学院に行かなくても司法試験を受験できる

暗記型からの脱却を狙って法科大学院が設立されましたが、今まで学部まででよかったものを大学院まで進学しなければならないとすると授業料がかさみます。

学校によって学費は異なりますが年100万円ほどですので、2年コースでも200万円です。

そうなるとお金のない学生はどうするのかという声が上がるようになります。

 

そこで登場したのが予備試験です。

予備試験に合格すると法科大学院を卒業していなくても司法試験受験資格が与えられます。

予備試験は司法試験を受験するにふさわしい学力かどうかを測る試験で、同じ法律系の問題ですので司法試験より少しレベルが下ですが、簡単ではありません。

その結果、予備試験合格者の方が法科大学院卒業者よりも司法試験合格率が高いという現象が起き、弁護士を採用する側の大手法律事務所も予備試験突破者の方が優秀と考え、彼らを積極的に採用するようになりました。

 

このような状態ですので東大をはじめとする難関大の学部出身者は学部在学中あるいは法科大学院在学中でも予備試験を受験するようになりました。

家計の厳しい人たちへの救済措置として始まった予備試験制度ですが、頭のいい人たちにとっては以前のように法科大学院に行かずに学部卒で弁護士になるための抜け道になりつつあるのです。

法律予備校を活用しよう

司法試験対策の勉強をするなら伊藤塾やLECといった法律予備校でもできます。

そして予備試験経由で弁護士になっても冷遇されるどころか優遇されるようになりましたので、法科大学院に高い授業料を払うくらいなら、同じくらいの金額を法律予備校に払った方が試験対策をしっかりしてもらえますし、授業時間も自分で選べます。

オンラインやビデオで授業しているところもありますので、仕事やその他のことに時間を割きながらでも空き時間を使って学べます。

法学者になるなら大学院に行かなければなりませんが、弁護士になるだけなら予備校で十分なのです。

 

法学部に行かなくても、法科大学院に行かなくても予備校でしっかり学べば弁護士になれます。

むしろ学問や知識の幅を広げるためにも、弁護士志望ならむしろ法学部に進学せず、その他の学部に進学したほうがいいのかもしれません。