もしも高校生に戻れるなら

アラサー社会人が高校生活と社会人生活を振り返りながら、もし現代の高校生として生きるならという視点で記事を書いています。

日本の大学入試は時代遅れだが、今は我慢するしかない

日本をはじめとして中国や韓国など東アジアの国々では、大学入試はいまだにペーパーテストが主流です。

日本には推薦入試もありますが、基本的に推薦入試は学力が足らない高校生が使うもので、学力勝負の受験生は一般入試で大学に入るのが一般的です。

 

しかし、アメリカは異なります。

100年前はペーパーテストの学力試験でしたが、そのやり方だとペーパーテスト対策にお金を注ぎ込める金持ちが有利になるため、日本の推薦入試のようなやり方に変わりました。

大学は勉強するところだからペーパーテストで問題ないと考えるかもしれませんが、ペーパーテストだと同じような人間、アメリカの場合だと金持ちのユダヤ系ばかりになるため、変更されました。

高校の調査書や自己推薦書、面接などで合否が決まりますが、アメリカの有名大学で学力低下の声は聞きません。

アメリカが詰め込み教育ではなく、様々な分野を広く浅く学習するという学習スタイルの違いもありますが、やる気と基礎学力を兼ね備えた学生を確保できれば自然と伸びるということでしょう。

 

それに対してペーパーテストの大学入試は結果を残せているでしょうか。

確かに日本はノーベル賞受賞者を輩出していますが理系が多く、文系は文学賞という大学での勉強とは無縁の分野です。

また、理系の受賞者も日本の大学を卒業後に海外の大学に留学するなど、日本での実績以外の人も多いです。

そのため、ペーパーテストがアメリカ型の入試よりメリットがあるとは言えないのが現状です。

 

大学受験で最も難易度が高いのは医学部受験ですが、医学部の勉強において数学はほとんど必要ありません。

中にはカリキュラムの必修科目に入れている大学もありますがそれは教養としてであり、医師国家試験向けではありません。

医学部の勉強は基本的に暗記であり、化学と生物の延長ですが、医学部入試の多くは数学、物理、化学、英語です。

これは医学部の倍率が高く、頭の回転が速い受験生を数学と物理を使って選抜しようとしているためです。

これでは数学と物理が苦手でも医師として適正がある若者を逃してしまいます。

他学部でも同様で、国公立大学を中心にペーパーテストでは基礎学力はあってもその分野に適性がある学生を十分に取れてはいないのです。

 

ペーパーテストを全否定する必要はありませんが、大学での学びにおいて何より大切なのはやる気です。

そして大学の研究力は税金の恩恵を高く受けている国公立大の方が私学より優位に立っていますが、国公立大はほとんどの学生をペーパーテストで選抜しているため、やる気のない学生も多く存在しています。

ペーパーテストと推薦入試の組み合わせや割合を考え直すべきですが、残念ながら日本ではまだその段階に至っていないのです。

しかしいい大学に入るためには必要レベル以上の数学などを勉強しなければいけません。

今の段階では、受験生は割り切って勉強しなければいけないのです。